用語解説
リン酸鉄皮膜処理は、粉体塗装の前処理の1種で、被塗物の下地処理を施すことで塗料の外観・密着性を改善するための工程です。
鉄鋼にリン酸鉄皮膜剤を塗布、あるいは浸漬することでリン酸鉄の薄い皮膜を被塗物に作る処理になります。
工程としては、脱脂処理⇒化成被膜処理⇒水洗浄⇒湯洗浄になります。
よく似た前処理として、リン酸亜鉛皮膜処理があります。
対候性の面ではリン酸亜鉛皮膜処理の方が優れていますが、以下の理由でリン酸鉄皮膜処理が用いられることがあります。
・処理工程が、リン酸亜鉛皮膜処理よりも少ないため、工程が短縮。
・処理水の規制物質が少ないため、排水規制対応がリン酸鉄皮膜処理の方が容易。
・スラッジや処理液の賛成が弱いため、設備のメンテナンス性が向上。
このため、コスト面を重視したい際、あるいは皮膜の膜厚を薄くしたい場合は、リン酸鉄皮膜処理の方が優位です。