粉体塗装の種類と特徴とは

 工業用 板金粉体塗装.comが得意としている粉体塗装で使用する塗料は、塗膜が形成されるまでの過程の違いから大きく『熱可塑性粉体塗料』と『熱硬化性粉体塗料』 の2種類に分けることが可能です。粉体塗装で使用する塗料は、『顔料』と『樹脂』、『添加剤』および『硬化剤』で構成されますが、この2種のどちらに当てはまるのかは使用される樹脂によって決まります。代表的なものとして以下の表のようにまとめることができます。

< 溶剤塗装と粉体塗装の違い >

3-3-1_knowledge_R

熱可塑性粉体塗料について

 熱可塑性粉体塗料は、熱を加えることで塗料が溶融・軟化するので形状を変化させることができ、冷えると形状が固化して塗膜にすることができるという特徴を持った塗料のことを指します。熱を加えた際の化学変化は伴わないため、再び熱を加えると軟化及び形状の変化が繰り返されます。熱可塑性粉体塗料では流動浸漬塗装法が採用されます。流動浸漬塗装法とは、粉体塗料を満たした容器の底の部分に多孔板を配置し、多孔板から圧縮空気を送る事により塗料を流動させ、流動している塗料の中に予熱した被塗物を浸漬することで塗膜を形成する方法です。その際約200~300℃の温度を加えます。この塗装方法で形成される膜厚は200~500ミクロンになるため、バケットなどの線材類、パイプ、バルブ、電気絶縁などにおいて、耐食目的の塗装で使用されます。

『熱硬化性粉体塗料』について

 熱硬化性粉体塗料は、熱を加えることで架橋反応を生じさせ塗膜が形成される塗料のことを指します。架橋反応によって特性が変化するため、各種の性能を付加させる事ができ、そのため用途に応じた塗料を選択する事ができます。熱硬化性粉体塗料では静電粉体塗装法が採用されます。静電粉体塗装法とは、被塗物にアースを取ってプラスの電気を帯びさせ、一方で専用のスプレーガンを用いてマイナスの電気を帯びさせながら粉体塗料を噴射し、静電気を利用して被塗物に塗料を付着させる方法です。流動浸漬塗装法では膜厚の管理は非常に難しいですが、静電粉体塗装法はスプレーガンを用いているので40ミクロン程度の比較的薄い膜厚で形成させることも可能です。また樹脂系ごとでどのように用いられるかは、以下の表の通りになります。

3-3-2_knowledge_R