パネルベンダーとは
パネルベンダーとは、板金鋼板の位置決めから曲げ加工を自動で行うことができる専用機械になります。英語圏では盤のことをパネル:Panelと呼びますが、このパネルベンダーもこの名の通り、盤や筐体、キャビネットの板金部品製作に非常に向いている機械設備です。鋼板が搬入されてくると、吸着パッドによって鋼板をコントロールし、あらかじめプログラムされた位置まで鋼板を移動させます。そして、L字曲げを行った後、再度吸着パッドでL字曲げされた製品を回転させ、今後は反対側をL字曲げ加工を行い、その後コンベアまで排出することが可能です。この一連の動きを自動で行うことで、フラットな鋼板がコの字型(側面から見た形状)になり、盤や筐体、キャビネットの板金部品の中間形状までこの1台の機械で、安定した品質で行うことが可能です。
パネルベンダーによる高性能自動曲げ の特徴
H:2,000×W:800サイズの制御盤の板金部品を製造する場合、ボックス形状にするために大きな板金鋼板を人がベンダーマシンに固定する必要があります。板金鋼板はSPCCなど金属素材のためそれなりの大きさになれば重量も出てきます。固定する鋼板が大型(重たく)なれば、それを固定する作業者への負担も増え、加工する際の品質のバラツキにもつながります。また、大型の製品になればなるほど、作業効率も下がってきます。
それに対して、パネルベンダーによるL字曲げは、専用機械とプログラム制御によって行われますので、人的作業とは違い、高速作業・高品質・自動化を実現することができます。つまり製造する板金加工品の品質は安定し、作業効率も上がるにもかかわらず、製造コストは削減することができるのです。
特徴① | 材料供給から曲げ加工から排出まで、1つの機械設備で実施 |
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特徴② | 人的工数を大幅に削減する板金加工を自動化ライン化 |
特徴③ | 盤や筐体、キャビネットの板金部品を最適な高精度L字曲げを自動加工 |
一般的なベンダーマシンは、” 人によるワークのセット ⇒ 曲げ加工(プレス)⇒ ワークの排出 ”となり、ライン化を難しくする一因となります。一方でパネルベンダーはコンベアを使って鋼板を供給して曲げ加工を行うことができる為、ライン化前提の機械設備になります。粉体塗装ラインへと流す量産製品の加工には非常に向いており、ライン化によって、製品1つ当たりの製造コストの削減を実現できます。
「 工業用 板金粉体塗装 .com 」のパネルベンダーのライン
下記は、「 工業用 板金粉体塗装 .com 」を運用する株式会社久野製作所のパネルベンダー工程です。鋼板をローラーコンベアで供給すると、真空パッドによって曲げ加工を行う位置にセットされます。そこで曲げ加工がおこなわれ、あらかじめプログラムされた回数を行い(ワークの回転運動等も自動で実施)、加工後のワークがローラーコンベアにのって排出されます。その加工された形状を次工程へとライン上で進めることで、効率化を実現しています。